以下の実験を行いました。結果、うまく行きませんでしたけれど、記録しておきます。
写真1
は実験の様子です。 このモーターは、
写真2
の部品で構成しています。 円板Aにミニチュアベアリング(630ZZ)を取り付け、リング状のネオジム磁石をAの下面にS極を上向きに貼り付けます。貼り付けに両面テープを用いました。支柱にも同じベアリングを取り付けています。 円板Bにはハンダ吸い取り線を使ったブラシ2を3箇所ハンダ付けしています。 組立は下から順に、支持台、支柱、Bの支持板ネオジム磁石を貼り付けた円板Aです。その上から円板Bを支持板へ載せることにより、円板Bに取り付けたブラシ2の先端が円板Aの外縁部に接触します。 ベアリングを2個用いることにより円板AとBは同軸かつ互いに自由に回すことができます。
いろいろ調整した上で、電源の設定、DC3.0Vで最大電流を30Aとします。 写真1のようにブラシ1に(-)を、ブラシ3に(+)を接続します。
実験(1) 円板Aのみを取り付けてブラシ3(+)を円板Aの外縁部に接触させてみたところ、時計方向に回転しました。
実験(1)について。これまでに行った
写真3 (2013年5月)
の実験より明らかに回転する力が弱いです。写真3ではネオジム磁石2枚で銅板を挟んでいましたけれど、実験(1)では1枚を下面に貼り付けたものでしたので、この違いがあるように感じます。
実験(2) 次に円板Bを取り付けて
写真1(再掲)
のとおり電流を流したところ、「円板Aと円板Bは時計方向」に回りました。 期待した同軸反転にはなりませんでした。
円板Bにハンダ付けし、円板Aに接するように設けたブラシ2は、かなり接触抵抗が大きいです。ハンダ吸い取り線の太さからいって、1本当たり10A程度流せると見積もってブラシ2を3箇所設けました。 観察するに、ブラシ2の円板Aとの接点には火花放電が見られず、円板Aと円板Bは時計方向に供回りした状態でした。結果的には、写真3の磁石を下側の1枚にしたものに等しいモーターとなりました。
磁石を1枚にしたこと以外にも原因は考えられます。 仕切りが無い水銀による単極誘導モーターの場合
写真4 (2015年2月)
と比較します。 写真4の場合、水銀の渦はネオジム磁石の内、中央(ネオジム磁石の近傍)、外の3つの流れが同時に生じます。 よく観察すると最初、乱流が起きるものの最後は、最も強い渦に巻き込まれることにより、最後は単一の渦になっていました。 ですから、実験(2)において、ブラシ2の接触抵抗が大きく、円板Bで生じる力が円板Aより弱いが故に円板Aと円板Bの両方が時計方向に回ったのではないかと考えられます。
いろいろ考えられますけれど、水銀に見られる同軸の二重反転あるいは三重反転を仕切り板無くして実現するにはかなり工夫が必要なようです。 例えば円板Aと円板Bの境界を水銀で満たすなどが考えられます。(構造的に実現困難です。電流値は稼げませんけれどもゲル状の物質を使うという手もあります。)
実験を通して、ずっと前から感じていることとして同軸反転する単極誘導モーターの何かが変です。何だかわかりませんが、何か違和感があります。 バシル・バン・デン・バーグはネガや足跡の何をどう見て、何を考えていたのだろうか?
写真5 出典:バーグメモの秘密1
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