単極誘導(銅円板に生じる回転トルク)とアラゴの円板

先日掲載しました実験
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動画1 単極誘導による銅円板(B)の同期回転について

動画1は、アラゴの円板に

aragoi006

よく似ています。 違う点は、動画1の磁石はドーナツ状をしており、磁場が軸対称であって、同軸上に銅円板が回転するということです。

アラゴの円板では、銅円板を通る磁束密度が磁石の回転とともに変化します。フレミングの右手の法則によって、回転する力が生じます。  それに対して、動画1では銅円板を通る磁束密度は磁石が回転しても変化しません。動画1の銅円板(B)においても渦電流は生じるのでしょうか。

一般に円柱状の磁石は、形状こそ軸対称ですけれど、磁場の磁束密度は正確に軸対称ではありません。いくつかテスラメーターで計ったところ、個体によりばらつきがあります。ですから、動画1で用いた磁石の個体によるのかも知れません。アラゴの円板より遙かに回り方は弱いですけれど、風の渦によって回るアクリル板より強いです。 従って磁石の軸対称性の確認と回転軸の芯出しをもっと正確に行う必要がありそうです。

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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単極誘導(銅円板に生じる回転トルク)とアラゴの円板 への4件のフィードバック

  1. 熊谷 雄一 のコメント:

    製作は面倒かと思いますが、銅板Bのセンターにブラシを設けて、さらに少し離れたところにブラシを設けて、このブラシを単協モーターの銅板Aに固定してブラシも回転できるようにします。銅板Aは駆動モーター本体と電気的につながっています。銅板Bはこのブラシによる接触抵抗を受けていますから、一緒に同期して回転します。そこで問題です。回転中に、センターのブラシとモーター本体を導線で接続するとどうなるでしょうか。この瞬間から、銅板Bの回転は落ち、同期が外れるでしょうか。それとも、何も起こりませんか。

    • Φ のコメント:

      実験アイディアありがとうございます。本文に書きましたように磁力線が”軸対称じゃない”こと、”芯出し”と”装置の振動”が問題だと認識しております。この点を確保した上でなお回転の有無を確かめる必要があると考えています。なお、中島勝行様によれば「円形磁石では回転しない」 ことが報告されています。上記の理由で、銅円板Bに渦電流が生じていないことを確認する方法があればありがたいです。

      • 熊谷 雄一 のコメント:

        即答してくださりありがとうございます。
        >>銅円板Bに渦電流が生じていないことを確認する方法

        ネオジム磁石の直径の半分以下の直径のピックアップコイルで渦電流を生じさせるような磁束の乱れがあれば検出することが可能です。
        発生電圧は微弱なら,専用のアンプが必要ですが,電源ノイズの影響は余りないと思われます。
         それで,オーディオマイクアンププで増幅してオシロスコープで観察するか,絶対値回路で全波整流して平均値電圧を計測することができます。ネオジムの回転が,5000RPMの回転の場合,83Hzになりますので,低域特性がフラットなアンプが必要です。業務用アンプなら作動増幅なので申し分ありません。
         もし,数十ワット以上のパワー出力がありましたら,出力電圧が,ダイオードの立ち上がり電圧よりも十分高いので,単にダイオードで半波整流して直流メーターで平均値を計測しても問題ありません。
         メーターの表示電圧(V),増幅レベル(dB),コイルの巻数などから,回転中の磁束の変化量(μT)を求めることになります。
         

        • Φ のコメント:

          なるほどギターのピックアップコイルと同様ということですね。実際はDCモーターに生じるノイズが酷いので、非磁性体のシャフトでDCモーターを磁石から遠ざけた上で、シールドするなどの工夫が必要だと思います。すると別途、機械的な振動などの問題が出てきます。参考にさせていただきます。理屈ではゼロだろうけれど、実際やってみると何かが出るというのを「ゼロだ」と断定するのは結構難しいことだと思いました。なお、当方の研究の方向は磁性体の力学的特性(作用と反作用)に向かっていますので、この件は置いておこうと考えています。ご意見ありがとうございます。

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