単極誘導の現象は極小さい微弱な現象です。 特に単極誘導発電機による起電流は、導体円板を回転させる際に出る電気ノイズや接点に生じるノイズなどによって、定性定量のいずれの特性も調べるのが困難です。
そこで、管理人がこれまでに調べた単極誘導モーターの特性をお示しした上で、単極誘導発電機による起電流の特性を推測し、単極誘導における相互作用とは何かというのと管理人の考えを記します。
(あ) 管理人が調べた単極誘導モーターの性質の内、主なものは次の通りです。
1.単極誘導モーターに生じる力は磁石からの距離に逆比例する。
の様に磁石近傍に設けた接点にある細線が弾かれる強さは、磁石を遠ざけると小さくなる。
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動画1 の実験4
2.単極誘導モーターに生じる力の反作用は接点あるいは電極が受けている。
の実験では、上から吊り下げた内側の電極が(-)です。食酢の渦が生じるとき(-)電極が反作用を受けています。 これを放電により確かめたのが
.
動画2
です。 そのほか、外電極が渦の反作用を受けることを確かめたのが
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動画3 の実験1
です。
3.単極誘導モーターに生じる力(相互作用)は、磁石近傍で生じるが、磁石は力学的に無関係であって孤立している。
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動画4
の様に、磁石が水銀に近づくと水銀は渦を作ります。次いで磁石を水銀に浮かべると磁石は水銀の渦と同方向に回転します。つまり、(2.)で示した単極誘導モーターに生じる力は水銀と電極間で生じ、その反作用は電極が受けており、原因である磁石は「水銀と電極間に生じる力」と力学的に無関係であるということです。
4.単極誘導モーターに生じる力は、磁石の磁束密度に比例するとともに質量に比例する。
動画1の実験6において、単極誘導モーターに生じる力をネオジム磁石(30g、576mT)、アルニコ磁石(205g、200mT)、アルニコ磁石(368g、250mT)の
で比較したところ、
を得ました。 単極誘導モーターに生じる力は、磁石の磁束密度(カタログ値)に比例すると同時に、磁石の重さに比例しています。
(い) 上記の実験結果を前回の記事、「電磁誘導における相互作用とは何か」に用いたモデル図を単極誘導に当てはめたものが
です。 磁石を原子模型とし、上に同軸で回転する導体円板を設けます。導体円板の回転軸と外縁部にブラシを設けて両端にガルバノメーターを接続します。 このとき
推測1 上記、単極誘導モーターの特性(あ)-(2.)から、単極誘導による起電流は導体円板とブラシの間に生じているのではないか。 つまり、単極誘導にかかる相互作用は、導体円板にある電子とブラシを構成する原子間にある自由に動ける電子との間の現象ではないかということです。
推測2 上記、単極誘導モーターの特性(あ)-(3.)から、磁石は回転運動する導体に生じる起電流と力学的に孤立している。あるいは独立・無関係である。
単極誘導モーターにおける特性を単極誘導発電機における特性に当てはめて考察すると、
- 単極誘導による相互作用は、回転する導体円板と回路を構成するブラシの間で起きる。
- 磁石は、単極誘導による相互作用の原因である。
- 磁石は、単極誘導による相互作用と力学的に無関係である。
ということになります。少なくとも単極誘導モーターにおける相互作用は3点を満たしています。
(う) 単極誘導の定義は、
端面に磁極が配置された円柱状磁石に対し,同軸上に導体円板を配して軸回りに回転させると,中心軸と円板の外縁部との間に誘導起電力(電圧)が発生します。中心部と 辺縁部を電池と考えて回路を構成しますと,誘導電流が流れます。このとき
- 磁石を固定して円板を回転すると誘導電流が流れる。
- 円板を固定して磁石を回転すると誘導電流は流れない。
- 磁石と円板を一緒に回転すると誘導電流が流れる。
というもので、これまで3番目の項目が不思議な現象として知られてきました。
さて、上記の単極誘導モーターにかかる各種実験は動画サイトにまとめていますのでご覧いただくとして、(あ)及び(い)と上記1.2.3.を比較しますと、3番目が不思議なのではなく、2番目と3番目が同じことを意味していることに気づきます。つまり、図2の現象において、そもそも磁石は力学的に無関係なのです。(あ)と(い)の実験結果並びに結果からの推測に合致しています。
(え) 改めて図1(単極誘導における相互作用)について
前回の電磁誘導における相互作用のモデル図と比較して考えます。
電磁誘導は、図3で示したように、磁石を構成する原子にある殻電子のペアでない電子とコイル内に存在する自由に動ける電子との相互作用でした。 古典的には、磁石とコイルの間に磁場(磁束密度)あるいは磁力線が介在することによって相互作用(作用と反作用)が生じていました。
図1の単極誘導における相互作用のモデルにおいて、磁石を構成する原子にある殻電子のペアでない電子と回転する導体円板内にある自由に動ける電子との相互作用であるならば、回転軸と外縁部の間に起電流が生じているのは、磁場(磁束密度)あるいは磁力線が介在することによっているのであって、磁石は相当の反作用を受けなければならないということになります。 これが上記の単極誘導の定義3.を不思議に感じることに他なりません。 つまり、単極誘導の現象が磁場によって生じていると理解するならば、動画4において磁石を水銀に浮かべると、磁石は時計方向に回転する水銀の反作用を受けて反時計方向に回転しなければ辻褄が合わないことになります。 ご覧の通り実際は磁石が現象とは孤立しています。
(お) では、単極誘導の現象が図1の磁石のモデル図に示した「ペアを組まない殻電子と導体円板内の電子との相互作用」ではないとするならば、磁石の何が原因で近傍にある電子に「起電流や力」を生じさせるのでしょうか。
物質は分子・原子により成り立っています。原子は原子核と周囲の電子より構成され、原子核は陽子と中性子よりできています。陽子と中性子の質量は、電子の約1800倍あります。つまり物質の質量のほとんどは、原子核の質量であるわけです。
(あ)-(4.)で示したように単極誘導モーターに生じる力は、磁石の磁束密度に比例するとともに磁石の質量に比例しました。 磁石の質量のほとんどが原子核ですので、実験結果と併せて考えると、単極誘導にかかる「近傍の電子に相互作用を起こさせる遠隔的な能力」の原因は原子核にあるというのが管理人の考えです。
磁石の原子核が遠隔的に近傍の電子に相互作用を生じさせる能力は、磁石が「超巨大な仮想的な単原子」であって、仮に磁石が軸対称であるならば、観測者に対して磁石の(原子核)の回転の有無は関係しないだろうということです。 この点も実験結果に合致します。
ここからは余談です。
(か) 2011年10月29日に拙著:弧電磁気論を出しました。単極誘導の実験を始めたのが2013年2月上旬でした。実験を続けるうち漠然と単極誘導の現象が「電気磁気の現象」に収まらないと感じるようになり、超効率インバーター「デゴイチ」のエネルギー源についての考察した結果見いだした
レンズ状の力場が単極誘導の現象にもかかわっているのではないかという考えのもと、2014年6月に「弧の力場」仮説を提唱しました。
実験が進んだ結果、実際には「力場」ですらなく、「相互作用を起こさせる何かの遠隔的な能力」なわけですから、弧の力場仮説の名称から変更すべきだと考えています。
それを受けて、2013年9月に弧電磁気論を弧理論(Ark Theory)に改めました。 つまり、単極誘導の現象は、単なる電磁気現象ではなくて「原子力」の一種であるらしいということとともに、ニュートン力学の範疇ですらないという驚くべき結論に至りました。
結局、いかにも微細な単極誘導という現象は、その姿と異なり宇宙の根幹に関わる非常に重要な現象の一端であると感じて、数学者岡潔の述べた「自然科学は間違っている」の次に、「自然科学は終わった」と記したのです。
改めて基本相互作用をながめると核力である強弱相互作用より影響範囲は大きいが、電磁・あるいは重力相互作用より短いことがわかります。ただ、原因である磁石の持つ能力は「相互作用」ではありません。まったくもって奇想天外、奇天烈なことです。
まだ、単極誘導については、幾つもわからないことがあります。弧理論の考え方を適用することによって、いずれわかってくると楽観的に考えています。
追記 電磁誘導では、モーターの軸を回転させると発電機になりますが、単極誘導の現象は発電機とモーターが電磁誘導のように「対」になるかどうか現段階で不明だと考えています。
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