ファラデーの単極誘導は不思議な現象とされます。下図のとき
- 磁石を固定して円板を回転すると誘導電流が流れる。
- 円板を固定して磁石を回転すると誘導電流は流れない。
- 磁石と円板を一緒に回転すると誘導電流が流れる。
という現象です。発電機の一種ですから、逆に電流を流せば円板が回転するモーターになります。 この現象の原理を説明したのが
(注:式に誤りがありましたので、次に訂正します。2014/10/02)
左辺が起電力Vです。右辺の第1項が磁束密度の時間変化ですが、単極誘導では時間変化がありませんのでゼロです。 第2項が単極誘導に該当するとされます。 この現象の3が不思議だとされます。 磁力線は磁石にくっついているのか、空間に固定されているのか?いろいろと議論があります。回転とは何なのか?反作用がどこかに消えている?
管理者が2013年8月13日に掲載したファラデーの単極誘導モーターに生じる力の解析とその後若干の実験を追加して詳しく解説したこちらをお読みください。
単極誘導モーターの実験の結果分かったことは次のとおりです。(単極誘導の起電力については分かりません。)
- 磁力線あるいは磁束密度とは関係がない。
- 接点あるいは接触する面に生じる。
- 電流の経路には関係がない。
- 磁石との距離に逆比例する。
- 磁石の中央部分、重心付近が最も強い。
- 磁石の質量に比例する傾向にある。
- 火花放電が起きないときの方が強い。
弧理論の考え方から、5と6は事前に予想していました。 ファラデーの単極誘導の現象は「磁石の原子核とブラシ接点にある自由電子との相互作用」だと考えると前述の「3磁石と一緒に円板を回転して起電力が生じる」は理解できます。
ここまでが前提です。
マイケル・ファラデーが単極誘導モーターを作ったのが1821年で単極誘導発電機を作ったのが1832年です。そして、主にファラデーの実験結果をまとめて数学的に記述したのが J・C・マクスウェルで発表が1864年のことです。マクスウェルが発表した原論文は20の未知数を含む20個の方程式群で表されていました。 で、ヘビサイドやギブス等が今日知られるベクトル形式で4つにまとめたといいます。 式1はベクトル形式で書かれていますので、ヘビサイドがベクトル形式で表した以後のマクスウェル方程式から導かれたということになります。 この辺のことを調べたところ、ディスクロージャープロジェクトの日本語サイト内に、トム・ベアデンが米国エネルギー先端研究局長官に宛てた手紙にまとめられているのを見つけました。(ビーデン博士のエネルギー先端研究局への返答)
歴史的一連の流れは入り組んでいますけれど、手紙に書かれた内容を簡単に整理すると、次のようになります。
一般にH・A・ローレンツ(tのつく Lorentz)が最初にマクスウェルの方程式群を対称的にリゲージしたとされ、後に”電気工学”と呼ばれて大学で教えられるようになったが、J・D・ジャクソンとL・B・オーカンの共著による”ゲージ普遍性の歴史的ルーツ”(”Historical roots of gauge invariance,” Reviews of Modern Physics, Vol.73, July 2001,p.663-680)によれば、本当はルードウィッヒ・ローレンツ(tのつかない Lorenz)が最初にマクスウェルの方程式群を対称的にリゲージしたことが検証されています。
恐らく、式1が最初に出されたのは、ルードウィッヒ・ローレンツの”リゲージ”以後だと思われます。 トム・ベアデンの手紙を読むと、もともと1800年代の物理学者たちは、マクスウェル原方程式群は”非対称性方程式”であり、その意味するところは、「真空に負のエネルギー状態」が存在すること。 ある種の電池や発電機から「巨大な回転性電磁気エネルギー流を発見」していた。 つまり、この発電機は見かけは小出力だが、背後の空間には大きなエネルギーの流れがあることに気付いていたということです。 ですから、非対称性方程式群には「真空が巨大なエネルギー流を含む負のエネルギー状態を表している」ということを知っていたということです。 並行して、金融資本家のJ・P・モルガンは、学者たちから「回路と負荷に電力を供給するために燃料が必要ない」ことを知って、物理学者たちにヘビサイド方程式群から非対称性を排除するようし向けたようです。 今日私たちが学ぶ古典電磁気学は、非対称性が排除された、いわば半分以下に矮小化された電磁気学だということのようです。
ですから、式1がどういう経緯で生まれたかは分かりませんけれど、従前の式1をもってなされる説明に納得いかない好奇心旺盛な学者や研究者が放置するわけがないはずです。 管理者が行ったリンク先の実験は、電源と若干の材料さえ揃えば高校生でもできる実験です。なぜ100年以上も放置されたのかは、だいたい理由が分かりました。大学で教わったことを疑う学生はまず居ません。1000人が教わって、10人ほどが今まで行われてきた実験を行って「不思議だね」で終わる訳です。
トム・ベアデンの手紙にあるヘビサイドの発見した「回転性電磁気エネルギー流」について、引用します。
「このヘビサイド回転成分の大きさは、比較的弱いが発散性であるポインティング・エネルギー流成分よりも1兆倍も大きいのです!任意の座標系(特殊相対論の状況)において、回転の発散はゼロです。そのため、通常このヘビサイド成分 - 発電機のシャフトを回す単位時間あたりの機械的エネルギー入力の1兆倍以上 - は、何かと相互作用を起こすことも、また外部回路に発散していくこともありません。代わりに、それはただ空間に向かってうなり続け、浪費されます。」
管理者は、引用の部分の回転性エネルギー流は、単極誘導での話しだと考えています。 ご存知の通り単極誘導は、電流は大きいようですが電圧が低すぎて使えないというのが常識です。ですけれど、管理者が実験した結果では、「原子核と接点にある自由電子との相互作用」です。つまり、ファラデーの単極誘導モーターの現象は「原子力」の一種なのです。 原子として、+-の電荷が釣り合っているから弱いだけだと考えられます。
そもそも、「電子の電荷と陽子の電荷の量は等しく極性が反対」ということしか学びませんでした。 陽子の質量は電子の1800倍もあるのに。 電磁気的にその他の性質の違いが「ない」というのは腑に落ちませんでした。 電子の抜けたホール(正孔)はプラスと同じとするだけで、陽子の+電荷は電子のマイナス電荷とは異なった性質がもっとあっても不思議ではないと感じていました。 管理者は、単極誘導発電機と単極誘導モーターには「非対称性」が存在すると考えています。
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