管理人の予想と異なる実験結果もある訳でして、実施済みの実験で発表することなく、失念していた実験をここに掲載します。(もしかして掲載済みかもしれません。)
実験実施日2015年9月30日
目的 水銀を用いた単極誘導モーターに生じる力(渦)にかかる反トルクを本体(筐体)が受けるかどうかを確認する。
概要 水銀を用いた単極誘導モーターを架線により吊り下げる。本体に供給する電線は網線を用いる。網線にて吊り下げることにより、本体が水銀の渦と反対方向に力を受ければ吊り下げた網線を捻ることになる。この捻れを目盛りにより測る。
写真1
実験装置全体 網線は、ハンダ吸い取り線。本体は鉄製。網線の一本で本体を吊り下げる。もう一本の網線はたるませてある。
写真2
単極誘導モーター本体 足場パイプΦ48㎜の切れ端に鉄板を底板とした。底面は白い塗料で電気的に絶縁している。 中央にΦ20㎜厚さ15ミリのネオジム磁石(上面がS極)を置き、銅板を巻く。これを(-)電極とした。本体外側に銅線を巻いて、三カ所にハンダ付けの上で、網線をハンダ。一カ所にまとめて吊り線とした。この網線を(+)電極とした。
本体に捻れの目印に銅線の切れ端を接着。近傍に円形の目盛りを配置。
写真3
単極誘導モーター本体に水銀を注入する様子。 静止した状態が
写真4 静止時(電流オフ状態) 実験動画のスナップショット
である。目盛りを読みやすい位置に設置。
電源の設定は、電圧0.6V 電流最大30A 実測値0.6V 27.0Aであった。
通電すると
写真5 実験動画のスナップショット
のようになる。 写真では、わからないけれど水銀は、反時計方向に渦を作ると同時に、本体は時計方向に約6目盛り振れた。写真5は動画の最大を示した瞬間である。水銀の渦が定常流になると目盛りの指示はおおよそ3前後になった。
結果 水銀の渦による反トルクは本体が受けている。
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考察 これまでの種々の実験により単極誘導モーターに生じる力は、電極が受けていると理解してきました。 (水銀・食酢、あるいは銅円板)に生じる力にかかる反作用を全て電極が受けているならば、本体を吊り下げた本実験では、本体は捻れを生じないはずと予想していました。 しかしながら実験結果は、「捻れ」を観測しました。
本体が捻れないのは、水銀の質量、本体の質量が適当なバランスを持っている場合だけです。考えてみたら当然のことです。
研究ノートを読み返してみると、本体を鉄製の構造にしたのは、単極誘導モーターを磁気的に閉じた構造とした場合を確かめたかったようです。 鉄製の本体の外側に電極を設けると電流は閉じた磁気回路の外側へ抜けます。 本当は単極誘導モーターの上面も鉄の板で塞ぎたかったのですが、上記のような構造になったようです。(この実験のこと完全に忘れていました。)
マリノフモーターと比較して考えると面白いです。
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