2016年8月19日の記事、二重反転型単極誘導モーターにみる「運動の相対性」についてについては、2015年1月~3月にかけて行った水銀を用いた同軸反転する単極誘導モーターの各種実験をまとめた結果、
図1
の様に、水銀Aの回転運動について、「反作用が無い、もしくは小さい」はずと結論づけました。その後、この結論に疑問を感じて、10月5日の記事、同軸反転型単極誘導モーターにおいて、仕切り板を「仕切りと電極」に分けて考えることにより
図2
の様に、容器に固定された仕切り板は、電極と同様に反作用を受けているだろうと気付きました。 その結果、記事中において図1を取り下げました。
ところで、仮に「水銀を用いなければ仕切り板は必要ない」ことに気付き、水銀の替わりに金属板あるいはリングを用いた同軸反転する単極誘導モーターならばどうなるだろうかと思考を進めました。
条件としては、以下の通りです。
- 金属板とリングを用いることにより、図1に示した仕切り板をなくす。
- 金属リングは何らかの手段により機械的に支持することにより滑らかに回転するようにする。
- 金属リングと電極、あるいは金属板とリング同士は電流をよく伝える。
- 大きな電流を流すことにより、金属板・金属リング・電極間が焼き付かないこと。
とします。この条件で金属リングを用いた同軸二重反転型単極誘導モーターの動作について考察したのが
図3
です。 円板状のネオジム磁石をコマのように軸中心で支えます。これを金属板Aとします。 軸は電源(-)に接続します。ネオジム磁石自体は導体です。(市販されているものはメッキされてます。) 大電流を流すことを考えると、別途電流の回路を用意する必要があるかも知れません。金属製のコマにリング状ネオジム磁石を貼り付けてもよいでしょう。
金属板Aの外側に金属のリングBを設けます。適当な機械的支持をする装置を設けることにより滑らかに、かつ金属板Aと接しながら回転する様にします。
リングBの外周に接するように外側電極を設けます。単極誘導モーターの筐体(観測者)に固定されているのは、回転軸(マイナス電極)と外側電極(プラス電極)のみとなります。 モーターを手に持って軸方向に振れば、金属板A並びにリングBは、慣性によりほとんど回らないはずです。
電流(電子)の経路は、回転軸 → 金属板A → リングB → 外側電極 となります。
この単極誘導モーターに電流を流します。これまでの実験の経験から図3の単極誘導モーターは二重反転の回転をします。金属板Aは時計方向、金属リングBは反時計方向です。
各種実験の結果から、生じる回転にかかる反作用は、電極が受けています。 図3で云えば、接触面である、回転軸、金属板Aの外周面とリングBの内周面、それとリングBの外周面と外側電極の3カ所です。 各接触面で焼き付きがなければ、軸において生じる力はほぼ無視できます。
図1と比較して仕切り板がありませんので、金属板Aにかかる反作用はリングBにより受け止められるはずです。リングBにかかる反作用は外電極が受けます。 ここで、金属板Aにかかる反作用は、遠隔で外側電極が受けるとは考えられません。かつ、金属板AとリングB、2つの反作用が各々別々に外側電極へ伝わるとは考えられません。
合理的に考えて、図3の単極誘導モーターに生じる力について、
金属板Aにかかる反作用について、リングBにかかる反作用との差分のみが外側電極へ伝わるだろう、
と結論できます。 ここに金属板Aの回転運動にかかる反作用は、観測者(筐体)から見て「無いか、もしくは小さい」はずです。当然のこと本論は、同軸三重反転型単極誘導モーターにも適用できます。 ただ本当にこのような装置が実現できるかどうか、今のところ分かりません。
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実際に図3の単極誘導モーターを製作することは技術的にも資金的にも困難です。現状ではこれが何の役に立つのか、どのような意味を持つのか理解していません。
管理人が知る限り、上記のような、「運動にかかる反作用が無い、もしくは小さい」という人工的に創られた機械装置はありません。 ただし、
写真1
風車や
写真2
ヨットはダメです。風の方です。 究極的にはジェット気流のことを云います。
研究を始めた当初は、もっとスマートなものを予想していたのですけれど、このようなベタなものになろうとは予想していませんでした。
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