縄文哲学の「カミ」と弧(Ark)の関係について

前回、一年余り前から取り組んできました縄文哲学の骨子と数学者岡潔による自然科学の問題点並びに「情 知 意」などと比較した結果を5枚の図表にまとめました。これにて、縄文哲学と弧理論の考え方が似ていることの他、自然科学の何が問題かも併せて示すことができました。

今回は、統合した宇宙観というか、理念にまで遡って考えます。

(1)

ヒトハアノモノ写真1 池田満氏による書 「ヒトハ アノモノ」 ホ28-38(7229)

は、池田満氏のホツマ文字による墨書で、「ヒトハ アノモノ」と読みます。「ア」について、普通の書体は○に点ですが、この「ア」は特殊文字で「左巻きぐるぐる」です。「ヒト」の「ヒ」並びに「ヒトハ」の「ハ」も特殊文字のようです。

管理人は、この文に対して次のように応えます。

ヒトハ ウナリ

これはホツマツタヱに原文があります。池田満著展望社「定本ホツマツタヱ」p416より(ホ28-38)のカナ文の前後を抜き出しますと

ヒツギナス モスソオクメト

キミタミノ ヲシヱノコシテ

アニカエル トテナイタメソ

ワガミタマ ヒトハアノモノ

ウエニアル ワレハカンムリ

ヒトグサハ ミミチカキヲゾ

下線は管理人によります。 参考までに同文は、ほつまつたえ 地の巻28きみとみのこしのりのあや【君臣遺し法の文】の中段にあります。本来、池田氏の解説が必要なのですけれど、管理人が前後関係から意味をとりますと{ヒトは「ア」のもの}と理解できます。 因みに参考ページの訳では「我が神霊自分の本質を人は上の者人は悉く霊長の者なり」となっています。

 

(2) 弧理論の考え方の基本は、

E軸上の実体が原因。物体は結果。

E軸上の実体が原因。物体は結果。

図1

になります。我々の3次元物理空間(M軸)を一次元の横軸とします。 余分な次元軸、これをエネルギー軸(E軸)とします。自然科学のエネルギー[ML2T-2]は時間[T]を含むため使えません。理由については、右リンク先「時間とは何か」を参考ください。

ある観測者はM軸上に居ますけれど、仮に観測者の視点をE軸上の実体に移した場合、

丸に点図2

右の様に、E軸上の実体を中心にM軸は円として認識できます。 これは日月神示で云われる「ス」に似ています。 弧理論の考え方においては、E軸上の実体は二種類存在しますので、図2右の円を上下に配置しますと

E軸での全回転とアウワ図3

右の様になります。ここで再び視点をM軸に戻しますと、二つの円の重なりの部分に紡錘図形ができます。弧理論の考え方では、M軸上の実体二種は、それぞれ暗黒エネルギーと暗黒物質になります。 「暗黒」とは「目に見えない」という意味ですから、「見えないエネルギー」とは、弧理論の考え方で云うところの「時間を含まない(真の)エネルギー」です。同じく暗黒物質は、「見えない物質」とでも云うE軸上の実体がM軸上に現れたものです。 まとめると、宇宙は「見えないエネルギー」と「見えない物質」が「見える物質」を形作っていることになります。紡錘図形は、弧理論の考え方による「原子模型」です。

 

(3) ホツマツタヱにおいては、フトマニ図というのがあります。

フトマニ図図4

の中心が特殊文字による「アウワ」です。外側に「トホカミヱヒタメ」、その外側に「アイフヘモヲスシ」、さらに外側にも円形に並べることによってア~ワまでの48音を配置しています。また、これをモトアケと呼ぶようです。ただし、ホツマツタヱには48音を円形に配置することはなかったとされます。後世の写筆者による作図だろうと池田氏の本にあったと記憶しています。管理人もこの配置に特段の意味を感じません。四方八方の天球(あるいは1年)を何故12等分するかについては、過去記事を参照ください。

ここで、図3右と図4の中央「アウワ」が酷似しています。「アウワ」は、大宇宙の中心だとされます。いろんな解釈がありますでしょうけれど、管理人は特殊文字の「アウワ」が図3右に対応すると考えます。何故なら、弧理論の考え方による宇宙の構造(原子模型)そのものだからです。

 

(4) 先頃、2016年10月29に開催されました京都ヲシテの会(講習会)の資料より「カミ」について引用します。

資料p3の2段目中央。 ヒガシニシ西ミナミキタ中央について、なぜ「キツサネヲ」と云うのかの説明です。キツノナト ホムシサルアヤの一部の解説です。

ミ(実)を別けてオフル(生じる)キ(ヲカミ)のミ(メカミ)でありますので、キミはヲ・カミと言うワケです。カミとは、かみ(カミ)でして、繋がり・齎し・生じさせるの意味です。』

カミとは、「繋がり・齎もたらし・生じさせる」

です。 池田氏にお教えいただいた「カミ」の用例は、現在発見されている資料から1118例あり、内ホツマツタヱだけで、911例あります。 超訳ホツマツタヱのサイト検索では「カミ」の用例は、714例、「かみ」では、2例となっています。  引用部分が「カミ」の最も詳しく説明されている部分だと思われますが、管理人は全ての用例を確かめることはできません。

ここで、「カミ」の定義において「何と何が」「つながり」「何を」「もたらし」「何を」「生じさせる」のかについて、補うことにより理解が容易になると考えます。

 

(5) 図3右と図4中央「アウワ」との比較によって、「カミ」の定義を補います。 すると『カミ』とは、

「ア」と「ワ」は、つながり、「ウ」をもたらし、「ウ」よりヒトを生じさせる。だから「ヒトハ アノモノ」であり、「ヒトハ ウナリ」。

これで、(1)の書と繋がりました。神霊だとか霊長などとは全く意味が異なります。 また、弧理論の考え方に置き換えますと、

「見えないエネルギー」と「見えない物質」は、つながり、「見える物質」をもたらし、「見える物質」より「人」を生じさせる。だから、「人は、見えない物質エネルギーのもの」であり、「人は、見える物質である。」

20161115文言の訂正と「見えないエネルギー」について補足  エネルギーは熱や圧力、あるいは放射などによって人の持つ五感に捉えることが出来ます。これが時間[T]を含む「見えるエネルギー」です。一方、E軸上の実体が宇宙空間に配置されるとき、斥力により途轍もなく距離を置いて現れます。これが「見えない(時間を含まない真の)エネルギー」です。また、「見えない物質」もE軸上の実体の一種であって、五感で捉えることが出来ません。訂正終わり

これが縄文哲学による「カミ」であり、「弧理論の考え方」による「宇宙の仕組み」です。 これが「アウワ」であり、「アワ」であり、「泡」でもあります。

bubble図5

「見えない」E軸上の実体である二種は、宇宙に大規模な構造を創り、物質である人を生み出す。これが「カミ」です。 「神」という漢字の字義は、「神事の際にミケ・ミキ・モチ等を置く机」のことです。まったく意味が異なります。

 

(6) 図4の「アウワ」は、特殊文字です。「ア」は、「左巻きぐるぐる」の渦ですし、「ワ」は「右巻きぐるぐる」の渦です。 (二種類以上の)異種の間にしか「つながり」は生じません。水をかき混ぜても何も起きません。それ以前に、かき混ぜる仕組みがありません。

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動画1

二種の間に、「物や事」が生じるのであり、ヒトは肉体に備わった五感により「物や事」の「運動」を感じられるのです。その際に「渦」が「運動」の基本になるのです。「ア」と「ワ」が「渦」を示す特殊文字である理由がここにあります。

そういえば、管理人が行っている単極誘導モーターの各種実験は、経験的に

  1. 力は接点に生じる。
  2. 生じた力は伝わる。
  3. 同種であっても、仕切りにより渦は明確になる。

圧力や温度も運動です。同種であっても運動の違いがあれば力は生じます。

 

(8) 池田満氏は、原文をホツマ文字のまま、「書いて、書いて、読んで、読んで、読み込んで」、その上で縄文哲学を提唱されました。 それはクニトコタチさんによるトノヲシテという理念からトコヨクニを建国したのですから、これを私たちが理解できる四字熟語「恵民立国」に凝縮されたのです。

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動画2

いろいろな解釈がありますでしょうけれど、原文に忠実にあたられたからこそ、辿り着いた理念である訳です。 神霊あるいは霊長などという安直な漢字変換など及びもつかない広く、深く、濃い内容です。単に文字面だけを追い求めて解釈するのは、どう見ても「想念の経路②」に該当するものです。 知らずの内に池田氏は、想念の経路①による研究を続けられてきたと確信します。  神のお告げなど悪魔崇拝と何ら変わりません。(ただ、経路②を全否定するものではありません。カミの仕組みの内だからです。)

 

(7) 研究を始めてもうすぐ満7年になります。漸く「文明の分岐点」と感じられる、納得できる位置まで遡ることが出来ました。

縄文哲学の骨子たるトノヲシテ、ロノヲシテを象徴するミクサタカラ(タマ、カガミ、ツルギ)の内、タマとカガミは揃います。ツルギの候補と考えてきた弧理論の考え方もまた、縄文哲学の骨子と根本を一にすると確信します。つまり、ミクサタカラが無事揃うだろうということです。ここに

「ウ」は、弧(Ark)です。

紡錘図形の4つの弧図6

「アウワ」は、足跡です。

足跡図7

右が「ア」だろうか?まだ分かりません。

 

当ブログのヘッダー画像は、管理人が撮った草花風景等の写真を使ってランダムに表示しています。中に

cropped-mikusatakara.jpg図8

が時折表示されます。 「ミクサタカラハ ミナノモノ」と読みます。年頭の賀状に使ったものです。

追記

(4)より、キミは、(ヲ・メカミ)とありますが、ヲ(男)、メ(女)でもありそうです。「ア」と「ワ」は、カミの仕組みにおいて、父性原理・母性原理を示しているように思います。確信はありません。

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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