2013年にファラデーの単極誘導について、幾つかの実験により確かめたことがあります。 この頃、単極誘導モーターに生じる力は接点で生じているらしいことに気付きました。 電磁誘導が回路に生じることは誰もが知っています。単極誘導についても多くの人が回路に生じると思い込んでいるようです。 当時の実験の一つに、
写真1
のようなものがありました。 左にある磁石の近くに銅片で接点を持つ回路を設けます。スズメッキ線は銅片に接触して電流が流れることにより力が生じます。
写真2
スズメッキ線は右端で支えてあり、力が生じるとは弾かれます。その後、線の弾性で銅片の位置まで戻ります。左端にある棒磁石を極方向にスライドさせることができます。磁石のS~Nの各位置での生じる力を目盛りをもとに計測します。それで得られたのが
図1
のグラフです。ア、イ、ウの箇所に3つの頂点を持つグラフが得られました。 実験でのスズメッキ線の弾かれる様子から、力は回路にではなく、接点に生じていると感じました。他の実験でも「接点で生じている」という感想を持っています。 で、図1の(イ)の位置、つまり棒磁石の中央付近が一番強い力を生じます。これが単極誘導モーターに生じる力です。 そして、両端(ア)と(イ)の頂点が磁石の両極での電磁誘導により生じる力の強さを意味します。
ロシアのステファンマリノフ(stefan marinov)という人が考案したマリノフモーターがあります。
図2
2つの磁石AとBを互いの極を鉄片でつないであります。すると磁気回路が出来て、すべての磁力線は被せたリングの内側を通ることになります。 写真1の実験では、磁力線は接点があるスズメッキ線の位置を通っています。 マリノフモーターであれば、磁力線の影響は避けられます。 ただし、これだとリングは回らないかも知れません。実際にやってみなければ分かりません。
2013年の時点では、直径7cm程度の金属リングを持っていました。だた、生じる力が非常に弱いのとリングを支える機械的機構に摩擦があるため金属リングによるマリノフモーターの実験は断念していました。 その後に水銀を購入し、幾つかの水銀を用いた実験を行ってきました。 現在手持ちの水銀でマリノフモーターが作れるか検討したところ、図2のリングを水銀に置き換えた装置が出来そうだと分かりました。
実験をするなら、確かめたいことは以下です。
- 磁気回路を構成した2つの磁石をY軸方向に(上下に)スライドさせて、水銀の渦の強弱の変化を観察する。
- 単極誘導モーターに生じる力は、接点で生じているだろうことから、2つの磁石をY軸中心に90度位置をずらす。
- 2つの磁石をY軸中心に180度位置をずらす。(磁石Aの位置をBの位置へ、BをAの位置へ)
1.について、図1は、両端の電磁誘導にかかる頂点、中央の単極誘導モーターにかかる頂点の3つの山が出来ています。管理人が考えるに、山は電磁誘導による凹と単極誘導モーターによる凸が重なったものだと感じます。 つまり、山=凹+凸 ということです。 電磁誘導の現象は、磁力線によります。マリノフモーターは、これの影響を排除できます。つまり、1.によって得られる渦の強さのY軸方向の分布は、凸の形になると予想します。
2.について、管理人の経験から、単極誘導モーターに生じる力は、ブラシA及びブラシBにおいて生じると考えます。もし水銀の渦が接点AとBで生じるのならば、2つの磁石をY軸中心に90度回転させると、電極と水銀との接点Aからも接点Bからも磁石は遠ざかる事になります。 磁石が同じY軸の位置にあるとき、磁石をY軸中心に90度回転させると、渦は弱まるのではないかと予想します。
3.について、出来る水銀の渦は方向が逆転するのではないかと予想しています。これまでの実験による経験から、単極誘導モーターに生じる力は、磁石の磁束密度に比例するとともに磁石の「質量にも比例」しています。 2つの磁石を「0度→90度→180度」と回すことによって、渦は「時計方向→静止→反時計方向」となるように思います。 何故なら、磁石を構成している原子の向きが2つの磁石については逆方向だからです。
こればかりは、やってみなければ分かりません。予想では、とりあえず渦はできると考えています。 これまで、実験のほとんどの予想がはずれていますので、あまり期待しないで行こうと思います。
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