先日ご紹介した水銀を用いたマリノフモーターの実験において、水銀の渦が出来なかったことについて、考察していて気付いたことがありますのでメモします。
写真1
リング状の水銀槽に対抗して配置した電極を通して電流を流したとき、水銀に渦を確認できませんでした。二股に分かれた電流の内側において、磁束はゼロになりますし、中に置いたネオジム磁石の対は磁気回路が閉じていますから、水銀に渦が出来ないだろう事は知識として当たり前と云えます。
ところで、マリノフモーターに似た単極誘導モーターの実験を過去に行っていたことを思い出したので、これと比較します。以下の記事について、もしかしたら過去にあるかも知れません。
写真2
アルニコ磁石の中央の位置に銅円板を取り付けます。ミノムシクリップに先端をL字型に曲げたスズメッキ線を取り付けて銅円板の各所に当てます。ことのときスズメッキ線は弾かれますので、そのとき生じる力の様子を観察しました。 記録では、実験は2013年10月22日に行いました。
写真3
では、スズメッキ線を画面手前の位置に置いて、銅円板に接触させます。このときの力の生じる方向は、写真3の赤い矢印の様でした。
写真4
では、スズメッキ線を画面手前に(-)を、左手に(+)を置いて、銅円板に接触させます。このときの力の生じる方向は、写真4の様でした。
次に、
写真5
では、スズメッキ線を画面左前に(+)を、右手に(-)を置いて、銅円板に接触させます。このときの力の生じる方向は、写真5の様でした。
写真5に示すスズメッキ線(電極)の位置は、写真1に示すマリノフモーターの電極の位置と同じです。 磁石がアルニコ磁石1個の場合と、2個のネオジム磁石を対向させて磁気回路を閉じた状態の場合の違いがあります。また、写真5では電流路が水銀の様に二股に分かれていません。銅円板はアルニコ磁石に通してあり、薄いベアリングにて支えています。電流は銅円板を通りますし、ベアリングを通しても流れているはずです。つまり、電流路が二股状をしていません。
上記の実験はマリノフモーターと幾つかの違いがあります。けれどもマリノフモーターを単極誘導モーターの一種と考えるとき、例えマリノフモーターに力が生じた場合も写真5の様に対向する形で力が生じることも考えられます。 ですから、水銀を用いたマリノフモーターに
- 対向する形に力が生じるため、渦は観察できない
- 力は生じないため、渦は観察できない
のかも知れません。 結果、よくわからない。 写真5の実験をアルニコ磁石から対にしたネオジム磁石に置き換えてやればよいかも知れません。実験の方向が見えません。
ネットで資料を調べてみて感じたのは、もしかしたらステファン・マリノフは、marinov motor よりmarinov generator に力を入れていたのでしょうか。 このままだと起電流は生じなさそうですけれど。
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