インクレディブル・ファミリー  悪がなくなると正義は不要になる

最近、洋画アニメ「 インクレディブル・ファミリー 」を見て感じたことをメモします。

内容は、スーパーヒーローであるMr. インクレディブル(5人家族)が悪と戦うというのものです。

前作において、悪との戦いで街を破壊したため?法律でヒーロー活動を禁止されている一家たち。(あらすじ)から一部引用します。

イラスティガールことヘレン・パーに、アンダーマイナーとパー一家の戦いを見ていたスーパーヒーローの大ファンであり通信会社デブテックを率いるウィンストン・ディヴァーと、彼の妹であるイヴリン・ディヴァーから、ヒーローの復活が掛かったある任務の依頼が届く。その任務は、ヒーローとして活躍する姿を皆に見せ、ヒーロー活動が再び法律で許されるようになることを目指すというものだった。

デイヴァー兄妹は法律を改正させるために、禁止されているヒーロー活動を「パー一家」に依頼する場面。 ちょっとした違和感がありました。 違和感は何か考えたところ以下でした。

デイヴァー兄妹は、悪と戦い正義を貫くためにはヒーロー活動が必要だと説得するのですが、ここに誤魔化しがあります。 本当は、「悪がなくなれば、正義は不要になる」のです。根底にあるのは経済原理です。あるいは市場原理主義とも云うようです。

言い換えると「経済のためには、悪と正義が必要」ということです。経済のためには国家間の戦争や紛争、宗教テロなどあらゆる争いが必要だと云うことです。 金融資本家、金貸しは両者にお金を貸します。どちらからもお金儲けができるのです。ですから「争いがなくなると儲けること」ができなくなります。何とかして「正義のために、争いを起こしてもらわねばならない」のです。正義は立場によりますから、曖昧です。 お金儲けのためには大義名分を与える事件をねつ造すればよいのです。後は、ベトナム戦争のように泥沼です。「トンキン湾事件、攻撃されないなら、攻撃を捏造すればいい

まあ、デイヴァー兄妹の通信会社は破壊された街の復興の需要で儲けることになるでしょう。戦争は、純消費です。 軍備と建築、土木、医療、道路、港湾、エネルギー産業、通信、上下水道などインフラの消費(破壊)です。

 

2014年5月13日の記事「エリートキツネと闘牛士」に次のように書きました。

10年ほど前に、知人から人権団体の人たちのことについて次のように言われました。  「彼ら人権団体の人たちは世の中に差別がなくなれば仕事がなくなるんだ。だから、彼らは差別がなくなったら困るんだ。」

これと同じだと気付いたのです。 善と悪、ジハード(聖戦)、「正義を貫く」ことに本質はありません。映画自体は面白かったのですが、緩く洗脳が入っているということです。

教育は洗脳です。『あらかじめ「答えと解き方」が存在するとわかっている問題を如何に速く解くか』ということばかりやっていると、何かを見聞きするとすぐに「答え」としての判断を下すことになります。 この「考えずに判断を下す」行為が問題だと考えます。 ちょっとした違和感があったら立ち止まって考えるべきです。

上記の過去記事で伝えたかったことは、何世代にも渡って同じ行動原理を持ち続けると、終いには「生まれながらに、その行動を起こす人の率が高くなる」だろうという危惧です。「我こそは正義、我に義あり」だと本気の人たちの集団が多数あるのですから、大問題です。最近は多くの時事問題が茶番に見えてきます。

数学者岡潔が云った「世界は間違った思想の洪水」という状態が続けば続くほどに人類の滅びは近づきます。「このままでは人類は滅びる


余談です。

恐らく、教育の中で最強の洗脳が「時間」です。 数ヶ月前に「さんすうとけい」を買いました。

さんすうとけい

ご記憶の方も多いと思いますが、小学校入学時に買う「さんすうセット」に入っているものです。

数学者岡潔は、「時間を表そうとすると運動を使う。直接わかるものではない」と述べました。「自然科学者の時間空間

時間は運動から作ります。しかし、運動そのものではありません。針の示す位置に数字を割り振ったものです。そして、数字を時刻とします。離れた位置にある2つの数字(時刻)を差し引きして時間とします。それに単位(時分秒)を付けます。

面白いことに、時間は、位置どうしを差し引き計算する行為です。位置とは住所と同じです。某2丁目5番地と3丁目10番地の差し引きをするのです。どう見ても変です。 位置と位置を差し引きなんてできません。つまり、時間は量の裏付けがないのです。時間は物理量ではありません。量ではないのに単位を付けて計算しているのです。

こうして(五感でわかる)運動から作った時間と、例えば電車の運動とを比較するには何ら問題はありません。時計の運動が電車の運動に比例しているからです。問題は光速度に近い運動をしている素粒子加速度的に膨張する宇宙にある天体時計との比較にあります。

何でこんなに簡単なことがわからなかったのでしょうか。それは物心つくころに、時間の観念を植え付けられるからです。日常生活に問題なかったから良いのではなくて、岡潔が云ったように、「間違った思想の洪水」から「逃れられなければ人類は滅びてしまう」のです。

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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