量子場 と岡潔の云った空間

前回の記事で電磁気現象と岡潔による「2つの心」との関係を示しました。今回の記事では、 量子場 の模型と岡潔が「空間」について述べたこととの関連について記します。

 

2020年1月21日の記事「自然 >( 時間・空間 )」において、(自然科学者が)研究の対象としている(と思っている)自然は、自然科学の模型である(時間・空間)より大きいことを示しました。

なぜなら、自然科学は循環であり、ネットワークであり、孤立系だからです。 それ以前に、そもそも言葉は閉じている(”言語規範”でサイト内を検索ください。)のですから、意識を通し言葉で言える第1の心 自体が孤立系です。ですから、数学を含む言葉で言える(記述できる)自然科学が孤立系であることは自明のことなのです。だから、自然をあらかじめ定義することは不可能です。

因みに孤立系とは、外のない内のことです。

図1 については、”山崎弁栄”でサイト内を検索ください。

 

以下、復習です。2019年12月2日の記事に「 量子場 を説明する簡単な模型」を記しました。

図2 出典:A Children’s Picture-book Introduction to Quantum Field Theory

この記事では、量子場を説明するに、図2の模型で説明される 量子場 より管理人が考案した二層型の渦模型(スターラー)の方がより量子場を理解しやすいという内容でした。

写真1 自作のスターラー

自作スターラーに石油ストーブに使う灯油(比重0.61)と着色した水を入れて二層型のスターラーを作りました。写真1を逆さにしてできたのが下図です。

gif 1 逆さの渦

gif 2 渦によりできる粒

ここで、比重の小さい灯油を(A)とします。比重の大きい青い水を(B)とします。gif2をよく見ると、上の層であるAの領域にできるのは(B)の粒であり、下の層である(B)の領域にできるのは(A)の粒です。これが量子場にできる正と負の素粒子に例えられます。

図3 量子場 は互いに規定し合うことにより成り立つ言語規範と同じ。だから孤立系。

ところで、二層型のスターラーにおいて渦がない場合を考えますと、 量子場 は何も存在しない境界面であると言えます。

 

さて、本題です。

自然科学の模型である(時間・空間)の空間について、数学者岡潔は、講演録「情の発見」、「【5】情の特色」において次のように述べています。

情は分かつべからざる全体である。やはり部分として分かつべからざる全体である。無量のそういう部分がある。情の中には時間も空間もありません。時はありますが時間という計量的なものは無い。また、空間は量的に質的にありませんが、時については2種類、2つですね。過去と現在、それだけですが、新しい現在が古い現在に変わる。その古い現在が過去になっていくということは限りなく繰り返される。そういう意味で未来は無い。

後半のの現在、過去、未来については、これまで相当考えてきました。ここでは、空間について、特筆すべきことが述べられています。 岡潔は”空間は量的に質的にありません”と述べています。これは、図2の”A Children’s Picture-book Introduction to Quantum Field Theory”では到底説明できません。

ただし、管理人は、自然科学者が「わけることによりわかる(はず)」として追い求めてきた結果が 量子場 であり、素なる領域だと理解しています。これは岡潔が述べている空間と同じだと考えています。「空間をわけることにより求めた素なる領域=量子場」です。そうならば、岡潔の言葉である「空間」を量子場に置き換えます。

「量子場は量的に質的にありません。」

これは写真1とgifに示した境界面と同じです。境界面には何もありません。管理人が考案した二層型のスターラーは、”空間=素なる領域= 量子場 ”をうまく説明できます。

 

では、(A)と(B)の境界あるいは、 量子場 とは何でしょうか。弧理論の観点から説明します。

下は弧理論の全体を示す図です。

図4 E軸(別の次元軸)上にあるアとワが大宇宙の中心

弧理論では、図4を「カミ」と呼びます。「カミ」の仕組みと働きを書き下します。

(ア)と(ワ)はつながり、(ウ)をもたらし、(ウ)よりヒトを生じさせる。ヒトは(ア)のもの。

別の次元軸にある2つの大宇宙の中心である(ア)と(ワ)はつながることによって、(ウ)をもたらします。弧理論で云うところの「別の次元軸からの投影による」のです。これにより(ウ)がもたらされます。これが前述の境界面です。(空間は量的に質的にないと説明される。)境界面にもたらされるのが「ウ」です。「ウ」とは渦のです。粒子は渦によってもたらされます。投影元がアとワの2つあるから空間として認識されます。(ただし、その前に、ウズによる物質がなければなりませんが。) そして、(ウ)よりヒトを生じさせます。だから、ヒトは投影元である大宇宙の中心(ア)のものなのです。

 

これは、人間の心の本体である”タマ:第2の心”が大宇宙の中心(ア)から来たりて、生命維持の欲求である”シヰ”とつながり、タマ+シヰとなり、これに地上の物質が結びついて人間になるという説明と合致します。

 

で、大宇宙の中心である(ア)と(ワ)は、M軸(岡潔の云う物質的自然、物質空間、物質軸)にも投影されて、(アワ)つまり、宇宙の大規模構造(泡構造)になると思われます。アとワは、大規模構造を構成していると考えられている暗黒物質と暗黒エネルギーに対応すると考えています。今のところ、どちらがアであるか、ワであるかわかっていません。ともかく、すべては別の次元軸からの投影による映像です。

写真2 出展:大きなスケールが、極小の世界に影響する!銀河中心巨大ブラックホールと大規模構造の奇妙なユニゾン

これで素なる領域である 量子場 と宇宙の大規模構造との関係が「カミの仕組み」を通して無理なくつながります。

 

ところで、2013年から2015年にかけて行った幾つかの単極誘導モーターの実験により感じた「接すると何か?」という疑問がここでも出てきます。境界とは一体何を意味するのでしょうか?わかりません。「接する」でサイト内を検索すると45個の過去記事が出てきます。疑問は、素なる領域・境界面・空間というところへ関心が移ってきます。右リンク先「実験の動画一覧」をご覧ください。実験のまとまりはないですけど、「接する」ということへの疑問を持っているという感触はおわかりいただけるかと思います。現時点で言えることは、「ウズ(渦)は、アとワが接する(つながる)ことによっている」のであって、これが物質の接するあらゆる場面で観られるのであって、それは本質的な回転運動である「回る」に現れているということです。決して「回す」ではありません。そして、重力は「回る」に関係しています。

 

余談です。

写真3 左「時間は存在しない」

昨年11月頃よりたびたび引用する、カルロ・ロヴェッリ著(以下、著者という。)の「 時間は存在しない 」には、「(何故か)生じる」ことの疑問を書いています。p130あたりです。 第九章「時とは無知なり」より引用します。

かりにこの世界の基本的な力学において、すべての変数が同等だとすると、わたしたち人間が「時間」と呼んでいるものの正体は何なのか。腕時計はいったい何を計っているのか。絶えず前に進んで、決して後ろ向きにならないのは何なのか、なぜ後ろ向きにならないのか。この世界の基本原理に含まれず、何らかの形でただ「生じる」に過ぎないものはたくさんある。

  • 猫は宇宙の基本的な素材に含まれていない。この惑星のさまざまな場所で「生じ」繰り返し現れる複雑なものなのだ。

著者は、「時間変数を含まない数式」を作ったようです。しかし、実際は時間を光速度cに置き換えただけです。で、上の引用で著者は2つのことを誤解しています。

  1. 時間は物理量ではない。自然科学、否、第1の心自体が循環であり、何ものも説明し得ない。
  2. 人が猫が猫とわかるのは第1の心(還元主義)によるものではない。第2の心によることを知らない。

その上で、著者はこの惑星には猫が何故か「生じる」と疑問を呈しています。著者の「時間」に問題の本質があるという認識は誤りです。著者は1.を理解してなお、2.を知りません。万物は「生じる」ではなくて、カミの仕組みと働きにより「生じさせる」のです。※↓

著者は、猫が「宇宙の基本的な素材に含まれない」から、あるいは「複雑だから」何故か「生じる」と考えているのも誤解です。例えば、猫が簡単なプラスチック製のブロックでできていればよいのでしょうか。

写真4

その昔、IBMが原子レベルでの加工技術で文字を描いたというニュースを見た記憶があります。件の猫がプラスチック製のブロックではなくて、さらに簡単な原子を配列してできているものであればよいというのでしょうか。

違います。すべては映像だからです。素なる領域に宇宙のすべての情報が詰まっているというのは間違いです。だって、著者も 量子場 に猫は居ないことを認めています。 著者は岡潔の言葉を知るべきです。

 

※:その仕組みの主な現れが弧理論の核となるArkであり、別の次元軸(E軸)上にあるArkのM軸上での形状が発散トーラスです。その仕組みの本質は、(回転)運動せざるを得ないところにあります。E軸上の実体がM軸に直交の状態に戻ろうとするが故に、M軸上の映像である物質は運動せざるを得ないのです。とても難しい話です。早い話、宇宙において、”静止”は例外中の例外です。

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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