電流は、マクスウェルの悪魔を起こせる か

電子の運動を使って、 マクスウェルの悪魔を起こせる でしょうか。マクスウェルの悪魔(Maxwell’s Demon)とはマクスウェルが唱えた熱力学での思考実験です。

図1 出展:マクスウェルの悪魔とは?

電磁気現象と熱力学についての位相の問題が解ければ実現できるのでは?との感触を持っています。発想の元はある科学者の言葉からです。

君の国の科学技術者はいまいわゆる原子エネルギーで推進する潜水艦の建造計画に従事している。(注=この記事はかなり昔に発表されたものである)彼らは原子炉を建造してこれをやろうとしている。その原子炉の中ではウランの軽いアイソトープが熱エネルギーと数個の中性子を放ちながら分裂し、これが他の重いウランに吸収されて、またそれが分裂する。かなり複雑だけれども、この方法は地球人がいままでに作り出した方法としては最も有効なエネルギー発生法だ。しかしこの熱エネルギーを宇宙船の推力に変えるために、彼らは原子炉の中に流動体を循環させようとしている。つまり熱変換器の中に流動体を循環させて圧力下に別な流動体を蒸気に変え、この蒸気をタービソの中に通してタービンを回転させ、それによって発電機を廻して電力を得ようというのだ。もし彼らが三〇パーセントの総合的な効果をあげれば、これはたいした技術上の功績ということになるだろう。
だがもし彼らがもっと簡単な言葉で考えることができれば、現在持っている知識でもって核分裂炉のまわりに簡単な熱電対を作って、発生す温度変化を直接に電気エネルギーに変えることができ、少なくとも九四ないし九八パーセントの効果をあげられるだろう。これには可動部分は不要だし、費用も安上がりで、エネルギー出力の単位あたり少ない物量ですむ。だがわれわれの方法にくらべれば、この方法さえも不経済で複雑なように思われる。

下線と強調は管理人による。

常識的には、ソーラーパネルでも熱電対でも、その変換効率は30%までと思われます。90%などあり得ませんから、この言葉をまともに検討することはありません。

しかし、電子の運動、つまり電流は熱を生じますし、熱の伝搬は物質の運動(振動運動)が伝わることです。何か関係があるはずです。電子の運動と固体・液体・気体を構成する分子の振動の伝搬とは何が異なるのでしょうか。

電気と磁気は直交します。弧理論の考え方によれば、位相の問題は”物と事”の関係になりますから、うまくまとめられそうな気がします。

  • 物と事はE軸からの投影による映像である。
  • は一つの実体の異なる面に過ぎない。
  • 電荷を持つ電子と電子の運動により電子の周囲に生じる磁気は一つの実体の異なる面に過ぎない。
  • 電場と磁場は一つの実体の異なる面に過ぎない。

熱あるいは熱エネルギーも物ではなく事です。磁気(磁場、あるいは磁界)にも熱にも対応する物がありません。磁気も熱も出来事です。もう少し異なる表現ができます。

  • 電場あるいは電界は、である電子にかかる力
  • 磁場あるいは磁界は、である電子の運動にかかる力
  • 熱は(例えば)電子の運動にかかる力
  • だから、熱は事。

ただし、力という表現は曖昧です。弧理論では時間は量ではないので、時間の観念を取り入れた表現をすると、磁気も熱もエネルギー[ML2T-2]の一種ということになります。”力”についての参考記事:2017年9月12日 寺田寅彦 「物理学と感覚」 ”感覚というものの意義効用を忘れるのは極端な人間中心主義でかえって自然蔑視と言われる”

 

あまり、スッキリした結論はありませんけれど、冒頭のある科学者の言葉より想起するのは単極誘導と組み合わせるということです。

ギリシャの科学者アルキメデスがいった言葉があります。

支点を与えよさらば地球を動かさん

しかし、実際には空間に固定された支点は存在しません。空間の性質を考えると、回転運動が最も重要です。どう考えてもそうとしか思えません。加速度に置き換えると次の2つになります。

  1. 空間にある本質的な回転運動に係る加速度
  2. それ以外の運動による加速度

当然のこと、1.にかかる運動は単極誘導の現象くらいしか思い浮かびません。もしかしたら重力も1.によると予想しています。2.で言えば、電磁誘導です。遠心力の加速度は2.です。

蒸気機関(内燃機関・外燃機関)も、タービンもレシプロエンジンもブラシレスモーターも、地球上のありとあらゆる機械装置は2.による加速度です。LHC加速器でさえも2.によります。

ある科学者の言葉に1.や2.の話は出てきません。しかしながら彼の言葉は、岡潔と似た点があって、三段階くらい飛躍した結論だけを持ってきています。こちらがよくよく考えねば、意図がわからないのです。

電子の運動と言う意味での電流は、磁場と熱という物ではなくであるとの意識を以てすると、熱源がマクスウェルの悪魔になりうるかもしれないと考えます。わからないのは次です。

  • 電荷を持った電子の運動による磁場と熱の関係をE軸-M軸での位相として考える

これまで、このような発想はなかった思います。断熱膨張・断熱圧縮とかカルノーサイクルとかベクトルやスカラーなどとはまったく異なる捉え方です。現象に対応する物があるかないかです。

繰り返します。電子というにかかる電荷と付随する電場、電子の運動)にかかる磁場や熱、あるいはエネルギー[ML2T-2]は、一つの実体の異なる面です。 電気と磁気はM軸上で位相が90度ずれて現れます。同時に熱も生じます。電子の運動熱の発生について、E軸-M軸との関係がどうなって起きているのかとても気になります。

もっと言えば、電子の本質的な回転運動(単極誘導の現象)と周囲の磁場、それと熱との関係をE軸-M軸との位相として捉えられれば、すっきりするはずです。 マクスウェルの悪魔を起こせる のでは?と考えます。目指すは90%です。あり得ないとして思考停止するのはダメです。

gif1 ペルチェ素子による発電とモーター

それにしても「もっと簡単な言葉で考える」とは意味深です。彼の言葉は、”数学を使わず”説明するというような意味にとれます。つまり、数学(波動関数)などの抽象ではなく具体で説明すべきです。

マクロをミクロで捉えようと、”それなら量子力学だ”と考えるならば、ダメです。観測する現象がE軸からの映像だとするとミクロの現象は離散的に確率で現れるのは自明です。これを正当化した量子力学はダメです。素粒子は物ではなく(波:ソリトン・孤立波)です。例えば、次です。

gif2 マクロ

映像ならば、離散的に現れます。

gif3

結果的に、ミクロの現象は離散的に現れると同時にとして観測されます。これは自然映像だとしたならば、量子力学は現象を説明できますが、仕組みはまったく異なると言うことです。

ある科学者は、量子力学にダメ出ししています。

科学知識を求める人間は木に登るアリのようなものだ。自分では上方へ動いていることがわかっていても、その視野は狭すぎて幹全体を見通せない。そのために幹を離れていることに気づかないで下方の枝の方へ移動するかもしれない。いっときは万事がうまゆく。自分ではまだ上方へ登れるし、進歩という果実を少し摘み取ることもできる。だがその枝が急に無数の小枝に分かれていろいろな方向に葉が散らばっているために本人はまごつき始める

そして基本的法則は今や分かれ始めて反対の方向に散らばり始めていることに気づく。すると科学者は心によって受け入れられる 知識の限界 に近づいていることや、あらゆる物理的な法則は究極的には全く統計的なものになるという結論に達する。

たとえば地球の科学者は電子が粒子で、波動性の二重性をもつものと定義せざるを得ない状態にある。彼らは電子は確率波をもつ粒子だということによってこれを正当化させようとしている。これは心で描くことのできない状態であって、そのために進歩の唯一の方法として抽象的な数学に頼らねばならなくなる

正しく眺めれば、基本的な真理は常に簡単で理解が容易なのだ。

 

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Φ について

2010年より研究しています。
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