前回の記事(図1)において、 如来 の仕組みと※2に示した岡潔の言葉との関係について補足します。
図1 「わかる」を時の順に仕分け
自然数の1は決してわからない
岡潔思想研究会の講演録【6】数学の使えない世界、解説8において、「自然数の1は決してわからない」と述べた事が紹介されています。当サイトにおいて、従前は、次のように説明してきました。
自然数「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13・・・」の1は決してわからないとしています。10進数は、0~9の10個の文字を使って数を表します。このままでは意味がわかりませんので、2進数の場合を考えます。
0、1、10、11、100、101、110、111、1000・・・
2進数は、使う文字が2つしかありませんので、すぐに桁上がりします。これはソロバンの玉が1つしかない状態に似ています。さらに簡単に2進数1桁の数を考えます。
- 0、1
ここで、1とは0でない数ですし、0とは1でない数です。つまり、最も簡単な数である1は0と互いに規定し合って成り立っているという意味です。ですから、1はわかり得ないのです。(規定し得ない。)そして、2進数で桁が増えても同じですし、これが10進数であっても16進数であっても同じで「1は決してわからない」と納得できます。
因みに、コンピュータは2進数を半導体の電流のオンとオフに置き換えて計算を実現しています。
如来の仕組みはスイッチ
如来とは、読んで字の如しです。
- ~のような、のような、のような、のような・・・
ずっと続きます。この文の「~」にいろいろ入れた例があります。
- 善は悪の如し、悪は善の如し
- 右は左の如し、左は右の如し
- 真は偽の如し、偽は真の如し
- 男は女の如し、女は男の如し
- 天国は地獄の如し、地獄は天国の如し
- 神は悪魔の如し、悪魔は神の如し
- ・・・・
これは二元論に等しいです。もう少しわかりやすいように、如来の仕組みについて、模型で説明します。
スイッチのオフ(OFF)だけを取り出せない
gif1 壁スイッチは如来の仕組みに似ている
これは、壁に取り付けるスイッチです。このスイッチは蛍光灯などのオン・オフに使います。このスイッチには、2通りの使い方があります。
- 常時、オフで必要なときオンにする
- 常時、オンで必要なときオフにする
このスイッチには、左右の区別がありませんので、右側に押してオン(ON)とするのか、それとも左側に押してオン(ON)とするのかは、取り付ける人の自由です。
これが意味づけですし、意味づけすることによって価値がわかります。
つまり、スイッチを壁に取り付ける際に、スイッチを押す側を右にするか左にするのか、あるいは上にするのか下にするか、それとも、オンとして使うか、オフとして使うかです。壁スイッチの使い勝手(シヰ:価値の押しつけ)による訳です。
- 壁にこのスイッチをこのように取り付けて配線して欲シヰ
当たり前ながら、このスイッチからオフ(OFF)だけを取り出すことは、決して出来ません。これが、岡潔が言った言葉と同じであることに気付きます。
- スイッチのオン(ON)は決してわからない
- スイッチのオフ(OFF)は決してわからない
大事なこととして、 如来 の仕組みには、価値の押しつけがないということです。仕組みを示しているだけです。
- 善か悪かは立場による
- 真か偽は立場による
価値は相対的ですし、価値は反転します。図1の説明欄に「価値は反転する」を入れた図を下に再掲します。
図2 再掲
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≪…如来 と岡潔「自然数の1は決してわからない」…≫を、令和6年4月開設の「岡潔数学体験館」に献句する、
立石に春風舞いてヒフミヨに