先日、銅製の置物、孫悟空(釈迦の掌)を購入しました。
真鍮磨きできれいにしたため若干テカっています。
お釈迦様の掌の上で孫悟空が世界の果てを見渡しています。決して抜け出すことが出来ないことを意味します。これが 外のない内 です。
裏面は手の形そのままです。文字は「如来仏手」と掘られています。
「外のない内」を含む記事は156件あります。初出は2017年です。
- 2017年11月24日 自然科学のいう「非科学的」とはどういうことか?
2017年以降、管理人の理解も次第に深まってきていますので、現在の様子を書きます。
まず、ヒトの心には「わかる」という働きがあります。「わかる」を順に書きます。
- 物がわかる。
- 事(動き)がわかる。
- 物と事を音韻に割り当てる。これが言葉。
- すると物と事に意味づけ出来る。
- 物と事の価値がわかる。
- 最後に物事を意識してわかる。
時の流れで言うと1.のみが現在(中今という。)で、2.からは過去です。ですから、言葉で意識して意味と価値がわかるのは、既に過去です。
それで、物と事は互いに規定し合う繰り返しです。物と事は必ず”対”とならねば、意味づけ出来ません。
何らかの現象があったとして、その現象が物なのか事なのか、揃っているかどうかが問題です。揃っていなければ、3.以降は働きません。意味がわかりません。価値もわかりません。意識も出来ません。言葉で言えません。
つまり、ヒトが物事を(科学的に)わかっているというのは、1.と2.が揃っている範囲に限られているということです。これは、お釈迦様の掌の上で世界を眺めている孫悟空の立場に同じです。これを外のない内と言います。
物理学者や天文学者たちの自然界は、自ずと限界があるということです。これが外のない内です。しかも、この「 外のない内 」という表現は抽象ではありません。
弧理論はこの「物と事が互いに規定し合って繰り返すことで1.と2.が現れる」仕組みを論じています。
- 自然は別の次元軸からの投影による映像である。
- 物と事は一つの実体の異なる面に過ぎない。
- 物と事は互いに規定し合う繰り返し。循環である。
- 物と事は必ず対となって現れる。
- 物と事は、複数の実体による差分である。
ここで、事の一種である統計や確率は結果です。小さな領域において、物と事は離散的、確率的に現れます。これが量子論として扱われる領域です。
素粒子は粒子と名付けられていますが、波の一種で事(動き)です。大事なのは物の量と事の質について「わかる」範囲が異なることです。
以下は、量子論、天文学、宇宙論の話ですが、以下の説明は難しいです。
弧理論では、地球上にいる観測者(人)に対して素粒子や天体など被対象物の動きが大きい場合、物の量がわからなくなります。
図2 運動Pが大きいと物の量は次元を失う
図1の両端において、観測して得られる値は物の量ではなくて、事の質になります。つまり、図の左端においては、素粒子という事の質がわかりますし、右端においては、天体にかかる事の質がわかります。
注)数には2種類あります。物の量にかかる数と事の質にかかる数です。つまり、図1の単位をmとしていますが、両端での距離は意味がなくなります。もう少し説明すると「素粒子物理学や天文学・宇宙物理学は、電磁波など事の一種である波を観測して物の量(質量や大きさ、あるいは距離)を計算しています。これは間違いです。物の量と事の質を混同しているE=mc2は間違いです。
量子論は、物の量がわからなくて、事の質のみわかります。つまり、意味がわかりません。天文学、宇宙物理学は、物の量がわからなくて、事の質のみわかります。つまり、意味がわかりません。
では、量子論、宇宙論において、対応する物は何かです。対応する物は物理学者、天文学者の脳にあります。脳内にある生理的電流(正確には電子)と脳内に構成される数式です。これを抽象と言います。
なぜ、このような抽象になるかというと事(動き)の質には複雑さの限度がないからです。理論や数式に複雑さの限度はありません。(繰り返しだから)でも肝心の対応する物の量はありませんので、理論の抽象化に歯止めはかかりません。冒頭に示した「意味がわかる」「価値がわかる」の順序を思い出してください。
図3 超ひも理論
結論として、図1のとおり、物と事が揃ってわかる範囲は限られていて、意味づけできる範囲も限られています。これを外のない内と言います。孫悟空(釈迦の掌)に示す模型ではありません。私たちがいる自然界は外のない内です。
しかし、これには希望があります。図1の物と事の範囲を意識しつつ、抽象理論を捨て去れば、繰り返しを回避できるはずだからです。映像の仕組みに移行するという希望が出てきます。ヒトが持つ心の仕組みと働きから繰り返し、循環を抜け出すことは、本質的に不可能ですが、回避することはできます。これが希望です。
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