岡潔講演録【5】情の特色にある言葉です。
空間は量的に質的にありませんが、時については2種類、2つですね。過去と現在、それだけですが、新しい現在が古い現在に変わる。その古い現在が過去になっていくということは限りなく繰り返される。そういう意味で未来は無い。
ヒトが”わかる”のは、物と事です。事とは「動き」です。これを図にします。
図1
それで、岡潔の言葉を{物と事【動き】}の軌跡に置き換えます。
図2 色つきの丸のみ現在 (矢印は未来の【事】だから存在しない。)
この図に習って岡潔の言葉を言い換えます。
物が”わかり”、事がわかる。次に新しい物が”わかり”、新しい事がわかる。古い「物と事」が過去になっていくということは限りなく繰り返される。その意味で未来は無い。
ダブルクォーテーション「”」の”わかる”のみが現在(古神道で 中今 ※と言う。)で、色つきの○で示しました。それ以前は記憶による過去です。
それで、「物が”わかる”」と古い「物がわかる」との変位が事(動き)である訳です。
余談です。岡潔の言葉からの「数とは何か」の考察です。詳しくは過去記事を検索ください。
- 岡潔「数は量のかげ」
- 岡潔「自然数の1は決してわからない」
上は、正確には「数は(物の)量のかげ」ですし、「数は事の質のかげ」が言い足りません。下は、1のみを取り出しては数として意味付けできないことを示しています。
gif1
スイッチから1のみを取り出すことは出来ません。また、ONだけを取り出すことも出来ません。意味をなさないからです。
- 数は物の量のかげ
- 数は事の質のかげ
- 自然数の1は決してわからない
数には2種類ありますが、自然科学にはこの区別がありません。
これまでの考察により、自然科学には、物と事の区別はありません。以前は、基本量、組立量(CGS、MKS)と言いましたが、最近では基本単位(SI)、組立単位と言います。基本単位には7つあります。
- 時間 秒
- 長さ メートル
- 質量 キログラム
- 電流 アンペア
- 熱力学温度 ケルビン
- 物質量 モル
- 光度 カンデラ
このうち、運動(動き:事)から作るのが時間です。
- 時間とは、過ぎゆく運動の記憶に基づいてヒトが抱く観念に過ぎない。
時間は事であり物の量ではありません。日本において時間は、国立研究開発法人 情報通信研究機構の日本標準時グループによって作られています。
後は、これまでに解説した経緯を辿って意識を通してわかります。順に書きます。図2と見比べながらお読みください。
- 物が”わかる”。(中今)
- 事がわかる。動きがわかる。
- 物と事を母音と子音に割り当てる。これが言葉。
- それで、物と事の意味がわかる。
- 次いで、物と事の価値がわかる。
- そうして、物と事を意識してわかる。
ですから、言葉を基にしている、意味、価値、意識は、既にして過去です。それと、物と事は必ず「対」になります。例外はありません。
それで、図2に示すとおり物と事は原因と結果の繰り返しですから、物と事の意味と価値は、時々、立場によって反転します。これが社会を複雑にしています。人々の価値観や意識は幾らでも変化(反転)します。
※ 岡潔が解説している発見や創造は、” 中今 ”からのみやって来ます。岡潔曰く、発見は「一時にパッとわかってしまう、瞬間にわかってしまう。」というのがそれです。【10】数学上の発見 また、この瞬間(中今)を「キ(気)づかされる」とも言います。これが仏教で言うところの他力です。
自然科学には、 中今 がありませんから、発見や創造とは何か、どう言った仕組み・働きによるかなどまるでわかっていません。世界の混乱の元である思想信条、主義主張のすべてはここから出ています。主義や主張を他人に押しつける時代は終わりました。
段々と気力がなくなりつつあります。メモもとりませんし、動画も記事も書かなくなってきました。本記事は、簡単な部類ですから書けました。更新はなくとも、研究は進んでいます。(管理人だけが知っていればいいか。という感じです。)
そう言えば、意識は2種類あることがわかりました。いつか、書けるかも知れません。
- 意識を通し、心で描ける。
- 意識を通すが、心で描けない。(抽象→言葉で言えるが、意味も価値もわからない。)
下は、例えば、宇宙論や素粒子関連に出てきます。
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